人生は、一度きりしかない。
だからこそ、後悔のない人生を送りたい。
それは、誰しもが持つ思いだと思う。
しかし、実際には「洗濯物を取り込まなきゃ、片付けをしなきゃ、あの本を読まなきゃ、資料をつくってしまわなきゃ、メールを返信しなきゃ」というように、毎日のごたごたのせいで、人生をじっくりと考える時間を取ることもままならないのが普通となってしまっている。
そこで、この少しの時間ではあるけれども、後悔しない人生を送るための方法について、100億ドル(約1兆円)を超える売上を計上しているAmazon.com(アマゾン・ドットコム)の創業者であるジェフ・ベゾスの「後悔最少化フレームワーク」から、その方法論を考察してみる。
1994年。
30歳のジェフ・ベゾスは、ヘッジファンドを運営しているD.E.ショー社で副社長として働いていた。
その彼が、今のままのキャリアを送るのか、それともアマゾンというベンチャー企業を設立して、 インターネットの世界に飛び込むのかの決断に迷っているときにこのフレームワークを適用したことが有名だ。
将来、後悔するような人生の決断の回数を減らすための「後悔最少化フレームワーク」とは、以下のようなものだ。
「自分が80歳になったとする。今、私は自分の人生を振り返っている。
そのときに自分は、今考えている決断について、どう思うだろうか?」
というものだ。
たとえば、あなたが独立起業をしようと思っているとしよう。
そこで、後悔最少化フレームワークを適用してみる。
「80歳になったときに2008年に会社を辞めて人生を変えたことを後悔する可能性は・・・。そのことを覚えている可能性は・・・。 もし、独立することをあきらめて、人生を変える決断をしなかったことを後悔する可能性は・・・。」
そのときに、あなたはどう思うだろうか?
このフレームワークの利点は、日々の雑念、毎日のごたごたから解放された状態で考えることができることだろう。
忙しい毎日で、日常的なことで一杯になってしまっている頭では、人生における重要な判断に支障をきたしてしまうのだ。
目先の短期的な視点から、その決断を考えるのではなく、大局的に長期的な視点から見ることで、人生における重要な決断において最適な選択ができるのだ。