総合リゾート運営会社の星野リゾート。
経営不振に陥った旅館の再生で知られる会社です。
その星野リゾート代表取締役社長 星野佳路さんの講演を聞いて、まとめてみました。
目次
リゾート事業は複数のビジネスを同時に行うもの
リゾート事業は、複数のビジネスを同時に行うビジネスである。
1.金融
2.開発
3.所有
4.運営
1.金融
リゾート事業に対して、資金を融資し、その利息を回収することで、収益を上げる。
2.開発
リゾートを開発し、キャピタルゲインをあげる。
3.所有
リゾート事業に対して、投資をし、事業を所有することで、利回りを得、収益を上げる。
4.運営
リゾート事業を運営することで、フィー(報酬)をいただき、収益を上げる。
このような構造になっている上で、星野社長は、運営こそが自分たちの生きる道であると決意したそう。
運営特化戦略。
観光大国の条件
観光大国の条件は、
1.国の認知度
2.アクセス
3.治安
これらの条件を、実は日本はすべて満たしている。
しかし、観光大国でないのは、そもそも23.5兆円という国内の観光市場が巨大すぎることが要因。
国内の旅行客で、売上がまかなえるのであれば、外国から観光客を呼び込むのに苦労する必要もない。
そのため、観光大国ではない。
日本の観光産業、特に旅館は労働生産性が低い
日本の観光産業、特に旅館は、労働生産性が低いとのこと。
しかし、うまくすれば、労働生産性を高めることができる。
旅館に訪れる客の行動パターンは、ほとんど同じ。
1.お出迎え
2.夕食
3.朝食
4.お見送り
5.客室清掃
このようなかたちで、規則正しいタイムラインを持っていることから、最適なシフト化が可能。
しかも、事前予約システムがあることから、事前に計画しておくことが可能。
重要なのは、手待ちをなくすこと。
もちろん、ピークカットをする努力も行う。
重要な指標
GOP(Gross Operating Profit)は、41.0%。
大体、「2,500万円-3,000万円の投資/1部屋」で、一人当たり 25,000円の客単価を平均稼働率43%で収支トントンに設定するのが星野リゾートの得意とする戦略。
上ブレは、もちろん利益。
観光業界は「100日の黒字・265日の赤字」
需要側の課題としては、繁閑の差が非常に激しいということ。
観光業界は「100日の黒字・265日の赤字」
100日は、土日祝日などの休日日数。
265日は、それ以外の平日。
だからこそ、ゴールデンウィーク(GW)の地区別取得を提言。
たとえば、第1週と第2週は東京エリア、第2週と第3週は九州エリア、、、など。