目次
会う人すべてが顧客
第二次大戦後のまだハドソンの車が走っていた頃のことを覚えている人は少ないだろう。
当時のように、四輪なら車だろうが、何だろうが、何ヶ月、 あるいは何年も待たないと入手できなかった物不足の時代でさえ、ハドソンはなかなか売れる代物ではなかった。
ある日、ラスベガスで知り合った人と話をしていると、彼が非常に金持ちだということがわかった。
自動車ディーラーをやってもう十分稼いだために引退したと言うのだ。
何を売っていたのか尋ねると、ハドソンだと言う。
私は信じられなかった。
どうやったのか教えてもらった。
彼は一つのルールを決め、それを自分の下で働くセールスマンだけでなく、整備士や事務員など全員に守らせていた。
彼は誰かに会ったり、電話をしたりする際、 用件に入る前に必ず「自動車を買いませんか。待たずに今すぐ買えますよ」と尋ねた。
それがルールだった。
この方法で誰も売ることのできない車を売ってビッグビジネスを築いたのだ。
これは、会う人すべて、仕事に関係のある人すべてに名刺を配るのと同じことだ。
自動車を必要としている人はいるのだから、 名刺が人から人へ伝って最終的にそのときに欲しいと思っている人の手に渡る可能性がある。 そして自分の顧客になる。
営業として、やれること
地元マスコミに18ヶ月連続で取材されたが、そのノウハウを公開。
まずは社会貢献的なことをやる(中古パソコンを無償貸与)+ニュースリリースを送る+電話+挨拶回り。
「顔合わせるとより身近に感じてもらえ、取材されやすい」。
- 営業エリア、マーケットを絞り込む(地域密着)
- 専門分野に特化する(可能であれば)
- 差別化を図る(可能であれば)
- 集客→見込み客フォロー→販売→顧客化
- 2万円の集客用目玉商品→20万円の商品→100万円の商品(Marketing Funnel)
- 売れる商品を扱う。売れ筋。一番の集客力のある商品。
- 個人的な小冊子をつくり、配布する
- 個人的なDVD(もしくはビデオ)をつくり、配布する
- マスコミにアプローチして、マスコミ取材を受ける
- 士業、他業種のセールスマンと提携する
- 異業種交流会に参加する
- マスコミ・インフラストラクチャーへのアプローチ(ref:レジス・マッケンナ)
- (直接)相手と直接会ってコミュニケーションをとる
- (間接)メール、FAX、電話、ハガキでコミュニケーションをとる
- ニュースレターを発行する
- 個人的なウェブサイトをつくり、集客などを実施。
- イベントを開催して、継続的に多くの顧客とコミュニケーションをとる
- セミナーを開催して、見込み客と接触をする
- 早朝ミーティング・早朝勉強会を開催する(理由:お金持ちには、早起きが多い)
- ランチミーティングを開催する
顧客の役に立つ小冊子(ウィジェット)をつくり、配布する。
もし、扱っている商品が新規性・ニュース性・話題性のある商品であれば、マスコミにプレスリリースを打つこと。また、影響力のあるセグメントにアプローチする。
ex. 配達スタッフ1人が1日約50軒廻る
脳性まひのビル・ポーターはトップセールスマン
家々のドアをノックして歩きはじめた。
通りや公園で見知らぬ人に声をかけたりもした。
セールスでいちばん大変なのは、相手の信頼と好意を勝ちとることだ。
「なんともったいない。お客さんとこんなにいい関係ができたのに、相手が必要とするものを定期的に売ることができないなんて」
ビルはまず、バスケット類を買ってくれた家や庭仕事をくれた家に加えて、半径5マイル以内の家をすべて回ることにした。
「ぼくは受けもち区域の家のドアを、三ヵ月に一回、ひとつ残らずノックしてきた。
そしていま、五百軒以上のお得意さんをもっているんだ」
雨が降ろうがかんかん照りになろうが、 ビルは毎日八時間、家々のドアをノックしつづけて、七ないし十マイルほど歩く。
一日に訪れる家の数は、およそ百軒。
運がよければ、十軒に一軒は何かを買ってくれる。
経営について、ちょっとしたこと
お金が必要であるのなら、資本家から調達して、株券を渡すこと。
銀行から借りること。
銀行以外からお金を借りるのならば、商売をやめるべきだ。
銀行が100憶円貸してくれたとする。
金利0.7%。
これを10%でまわすと、毎年放っていても、10億円になる。
経営者は、
第1期 営業本部長 兼 社長
第2期 財務本部長 兼 社長
結果は常に活動量に基づいている
「結果は常に活動量に基づいている」
保険の神様と呼ばれるトニー・ゴードンの話。
彼が一貫して主張しているのは、「セールスにおける行動量の重要性」です。
『ありがたいことに、最初の日に素晴らしいアドバイスを受けました。
「1週間に15件のアポイントメントをとれば、成功しないはずがない」と言われたのです。
最初の段階で、この仕事は量が問題なんだと学びました。
活動量が私たちのすべきことを何もかも決定し、結果は常に活動量による公式に基づいています』
行動をすること。
活動をすること。
重要なのは、活動量です。
量が問題なのです。
大量の行動をすること。
大きな変化を起こすこと。
行動量を増やすこと。
できるだけたくさんの人に面会する -フランク・ベトガー
「できるだけたくさんの人に面会する」
『私はタルボット社長の話の中の一言に耳を傾けた。
この言葉は、過去三一年間の私の生涯に、非常に深い感銘と、永久に忘れ難い影響を与えたのであった。
その言葉というのは、つぎのような意味のことだった。
「諸君、結局、この販売の仕事というものは、せんじつめると、たったひとつの事柄になる。
『できるだけたくさんの人に面会する』
ということに尽きる。
人並の能力を持っている人だったら、毎日四、五人の人に会って、熱心に話をもちかけてみるがいい。
ただ、それだけのことできっと成功する。
それにもかかわらず、どうしてもうまくいかなかったら僕にいいたまえ」』
結局、フランク・ベトガーは、タルボット社長の言葉を守り、25年間で毎日5人、4万回人と面会しました。
このタルボット社長の言葉は、セールスの根本であり、ビジネスの根本であるように感じました。
できるだけたくさんの人に面会すること。
そうすれば、たったそれだけのことで、販売が達成され、成功できる、と。
営業は簡単な計算式にまとめることができる
「接触件数×成約率×平均売上高=売上」
もし、訪問販売で商品を販売している場合、週休1日、月25日労働、1日50件訪問できるとします。
すると、「25日×50件=1,250件/月」の接触件数があることになります。
成約率が1%だとしますと、「1,250件×0.01=12.5件」の成約となります。
1件当たり、平均売上高20万円だとしますと、「12.5件×20万円=250万円」となります。
つまり、「売上は250万円/月」になるというわけです。
このように営業は簡単な計算式にまとめることができます。
だからこそ、接触件数を10%増やせば、売上も10%増えます。
成約率の向上は、売上の向上となります。
これらの要素を向上させていくことが、売上の上昇につながるのです。
ウォルマートの創業者:サム・ウォルトンの数字管理
世界最大の小売企業ウォルマートの創業者であるサム・ウォルトンについての話で、 ウォルマートが、まだ数十店舗しかなかった1970年ぐらいのこと (現在のウォルマートは、売上高3500億ドル超(約38兆円超)従業員数190万人超の超巨大企業)。
「サム・ウォルトンは、とにかく数字に厳しい人でした。
土曜の朝に彼から電話がかかってくるのですが、きちんと報告できるようにしておかなければいけませんでした。
1週間全体の売上げ、1日ごとの売上げ。
それから従業員にいくら支払ったのか、支払った賃金は売上げの何パーセントかなど、細かく質問されました。」
このことは、単純に目標を設定するだけでなく、常に達成の過程でどの段階にいるのかを計測しつづけることの重要性を示唆しています。
常に、売上やコストを計測させることで、それらがどのような状況になっているのかを意識させ続ける効果が生まれます。
反対に、目標を設定したはいいものの計測していなければ、意識することもあまりないため、達成可能性が低下してしまうことになります。
目標を設定するだけでなく、常に計測し続けることが重要なのです。
ヤマダ電機の創業エピソード
ヤマダ電機の創業者、山田昇さんは、1973年に脱サラして、ゼロから出発しました。
当時は結婚したてで、奥さんのおなかには子供がいたという状態で、松下電器産業の系列店になることにしました。
山田氏は、利益を得るためには、月商300万円が必要だと考えました。
1世帯の平均年間家電購入額を約13万円と計算し、開店までに300世帯の顧客を作ろうと、 開店の一月半前から、3回にわたり商圏のローラー作戦をしました。
一軒一軒、履歴書を持ってあいさつしながら、どのメーカーの家電を使っているかをチェックし、 ナショナル製品を売り込む余地があるか、所得に余裕があるか、などを名簿にまとめました。
見込みがありそうな家を約1,000軒に絞った後、2回目の巡回では、 オープンの予告をしながら再チェックして精度を上げ、さらに300軒に絞りました。
3回目にはその300軒に招待状を配りましたが、「買い替えたいが、開店まで待てない」というお客さんもいて、開店前にテレビが10台ほど売れました。
ゼロベースから、価値あるビジネスを生み出す際の参考になるエピソードであるし、また、営業戦略・地域戦略としても有益なエピソードであります。
1.目標数値(売上高・利益)を設定します
2.必要な顧客数を計算します
3.それを達成できるようなアプローチを実行します
アプローチとしては、再度訪問式の営業であります。
特筆すべきは、「待ち」型のビジネスである家電販売店が、外に出て、「攻め」型の営業をしたということです。